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2024年05月19日
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どうしようもなく君が大好きだから

2009年05月27日

どうしようもなく君が大好きだから
 


朝食は牛乳とトースト。
それを食してからアカデミーに毎日行く。
授業態度は真剣そのもの。座学を苦手としているらしい。
休憩時間。意外におとなしい。
ただし話しかけられると途端に嬉しそうな表情を見せる。
話しかけてくるのはもっぱら男子。たまに桃色の髪の女の子。
時折クラスメイトらからの視線や言葉に耐えかねるのか教室を出て、なぜか職員室に。
教師達も多少距離を置いている中で、二人ほど慕っている相手がいるらしい。
一人は拳骨を落としつつ正面から向き合って話を聞く男。
もう一人は優しげな笑みを浮かべて相手をする男。
後者に頼まれて共に雑用をすることになったらしいがその時の表情はとても嬉しそうだ。
放課後。
アカデミーの校庭にあるブランコに座りこんでぼーっとしている。
なんだか寂しそうな顔をしているように見えるのはそうであってほしいと思ってみているからか。
 

「お前、ホントーに嫌われてるんだねぇ」
「え?!」
眼下のナルトが周囲を見渡している。俺の位置から見えるのは、その金の髪だけ。
「だ、誰だってば?!」
「上ー。お前もいちおー忍者を目指しているんなら気配くらい察しなさいよ」
ま、ガキに気づかれるようなら俺のほうが廃業の危機なんだけどね。
見上げてくるのは、あの印象的な綺麗な青い瞳。それが大きく開かれる。
「あ……・あー!あの時の!」
その反応に気を良くして面の奥でにんまり笑う。
「覚えてた?ナールト?」
ひくっと。
ナルトが息を飲み込んだ。
それまで居た枝からナルトの目の前に降り立つ。
「ま、お前が周囲に嫌われてようが俺にとっちゃ関係ないし?」
ナルトはというとブランコのロープ部分をぎゅっと握り締めてそのまま後ずさりしている。
動ける範囲が限られているのに可愛いねぇ。
「それでどっちがミズキ先生ってやつ?殺るから教えて」
またナルトからひくっという音がした。
 

校庭には二人っきり。
なんだか待ち合わせてデートしているみたいで嬉しい。
「面のにーちゃんなんでここにいるんだってば!」
でもナルトがビクついているのはなんでだろう?
「俺さ、今夜半から任務に出るんだよねー今のうちに仮眠とっておきたくてね。だからさー」
「だ、だから?」
「添い寝してよ」
「な、なんで!」
「オコチャマの体温って高いじゃない。きっと抱っこして寝たら気持ちいいと思うんだよねー。ナルトの部屋に行こうかー」
「お、オレの名前!なんで知ってるってば!あ、あと家の場所も!」
「調べたもん」
またナルトからひくっという音がした。
「じゃ、いこうか」
そういってナルトを小脇に抱えこんだ。
「ぎゃーーーー!人攫いーーーーッ!」
「人聞き悪いなー。ナルトは俺のお嫁サンになるんでしょー。将来の夫の頼みを聞いてくれてもいいんじゃなーい?」
「夫って!」
「俺はお買い得だよー?それにナルトのことが大好きになったからねー」
またナルトからひくって音がした。みると真っ赤な顔が見えた。
「あらま。嬉しい?」
「ち、違うってば!」
「ま、今日は添い寝だけでいいからさー」
「だだだだ、だけって!」
「ナルトを大事にするって決めたのよー俺は」
またひくっという音がしたけども、もう伺わなくても様子がわかるから。
面に隠されたその表情は楽しげ。


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俺様カカシとおぼこなナルトちゃんシリーズ
2009/05/09初出

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