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2024年05月19日
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言い尽くせない言葉を少しでも

2009年07月01日

言い尽くせない言葉を少しでも
 


伝えたいんだ。
どれだけ君を好きなのかということを。
この気持ちは誰にも負けない。
っていうか最初からね、勝ってる。
でも不安になるのはなんでだろう。
 


小脇に抱えたナルトを彼女のベッドに落とすとスプリングが軋んだ音がした。
「兄ちゃん!何するんだってば!」
俺はそれに言葉では応えず、起き上がろうとするナルトを片手で制する。
簡単に転がる彼女に馬乗りになった。
両手の手甲をはずしてそれを床に落とす。
そして彼女をあらためて見た。
印象的な色の瞳はさっきまで俺以外のヤツに注がれていた。
のぞきこんだら今は俺だけがその視界に入っていた。
イイ。
そんなことを考えた俺の思考を止めるのもやっぱり彼女。
今の今まで、ぎゃーぎゃー騒いでいたナルトの声が小さくなる。
「兄ちゃん何考えてるの?オレ、ホントわかんない」
俺に向けるナルトの瞳はわかりやすい怒りの表情が浮かんでいた。
涙目になりながらも俺を睨みつけるその目。
うんいいよ。それでいいよ。それがいいんだ。
俺だけを映すその蒼。
やっぱりお前の周りの人間は邪魔なだけだよね。
「・・・ナルトは俺のお嫁サンになるんでしょ?」
「だからそれがわかんない!オレが一番好きなのはミズキ先生だってば!兄ちゃんじゃない!」
ぱしん。
ナルトの頬が赤くなる。
なんでかって?
俺が平手うちをしたからだ。
「俺がそう決めたのッ」
でもそういうきっかけを作ったのはナルトだ。
忘れちゃったんだろうか。
ナルトの上着のファスナーに手をかけて一気に引き下ろしてその袷になった部分を広げる。
タンクトップを捲し上げて、彼女のそのささやかな胸に手を這わせた。
「や・・ヤダってば!」
俺の腕を押さえようとして必死に抵抗を試みるナルトの力なんてまったく問題にならない。
 


いくら言葉にしても伝わらないなら。
いくら抱いても伝わらないなら・・・どうしたらいいんだろう。


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俺様カカシとおぼこなナルトちゃんシリーズ
2009/06/22初出

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