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2024年05月19日
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今日も笑えて嬉しくて幸せで

2009年06月07日

今日も笑えて嬉しくて幸せで
 


シャワーから少し熱めの湯を出して頭からかぶる。
しばらくその状態。
体についた汚れが湯とともに流れていくを実感する。
シャンプーを手の中で泡立ててから頭全体に行き渡らせる。
「……ふーん?」
髪を洗い終わり、続いて石鹸を手に取りしばらく眺めたあとお風呂タオルで泡立てる。
「なるほど。さすが俺のお嫁サン」
シャンプーも石鹸も無香料のモノ。そしてほぼ無臭。
忍たる者、香りを付けては任務に差し障りが出る場合もある。
まだヒヨコどころか卵なナルトがそれを使用しているとは思わなかった。
「感心感心」
一通り洗い流して湯船に浸かる。
湯音は熱くもなく温くもなく。
いってみれば体温度。
ゆるりと手を動かせば湯の軽い抵抗だけを感じる。
「これは……浸っちゃうねぇ」
向こうにはナルトの気配がする。カカシはゆっくりと目を閉じた。
 

「オレも入るってばー」
浴室のドアをがちゃりと開けてナルトが入ってきた。
瞬時に顔を面で覆ってドアの方向を見る。
「なんでお前ハダカなの!」
「お風呂に入る時はふつー脱ぐってばよ?兄ちゃんこそなんで面を被ったままなんだってば?」
小首を傾げてもっともな事を言うナルトにカカシは言葉を詰まらせる。
ナルトは別に返事を期待してなかったようでシャワーを浴び、石鹸を手に取り体を洗い始めた。
視線をずらし不自然ではないように体勢を変えてナルトに背を向ける格好になる。
「……暗部は素顔を晒しちゃいけないんだよ」
「ふーん。アンブって大変なんだってばね?」
と。
さぶん、という音がして湯が揺れた。
さほど広くもない浴槽内にナルトとカカシ。
「……」
後頭部に視線が刺さる。
「ナニヨ」
「……兄ちゃん、怪我しなくてよかったってば」
そう言ってナルトはカカシの頭を撫でる。その小さな手の感触にカカシは思わず笑みがこぼれた。
「どうしたの。今日はなんだか優しいじゃない」
「オレってばいっつも優しいよ?兄ちゃんがいっつも意地悪なだけだもん」
くるりと向き直るカカシにナルトは「お?」という表情を見せる。その両ほっぺを指でつまんで引き伸ばした。
「……そういう生意気なことを言うのはこの口かー?」
「イダイイダイ!兄ちゃんイダイーッ!」
逃れようと暴れるナルトのせいで湯がはねる。
「ハハハ」
ようやく開放された頬をさすりながらナルトはぶーぶー文句を言う。
「オレのほっぺがどうにかなったら兄ちゃんのせいだからな!」
「だーかーらー。お嫁サンにするって言ってるじゃない」
「……はぅ」
何度目かのこの台詞に、ナルトはまたもや真っ赤になる。
そのまま湯に半分顔を沈ませて何事か呟いているのかブクブクさせている。
その様子を見てまたもやにんまりと笑うカカシであった。
 

 
オマケ。
「そういえば石鹸とかシャンプーとか……お前、えらいね」
「あれってばイルカ先生ん家に遊びに行った時に分けてもらったんだってば」
「……」
「兄ちゃん?…あー!なんで勝手に人のもの捨てるんだってば!」
「俺が買い直すから」
「ええええええ!?」

どっとはらい

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俺様カカシとおぼこなナルトちゃんシリーズ
2009/05/17初出 5/19改編

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