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2024年05月19日
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僕に光を彼女に花束を 1

2009年06月04日

傷が消えても痕は永遠(LOV2)のヤマトサイドのお話。
 



僕に光を彼女に花束を 1
 


僕と彼女。
その身にあるモノのせいで人生が変わった僕達の、それが運命だったというならば僕も彼女も前世でいったいどんな悪行をしたというのだろうか。
 


僕が初代火影の遺伝子を組み込まれた日から繰り返し見る夢がある。
地平線の向こうに沈もうとしている太陽の光を受けながら僕の隣に立つ少女。視線は遥か先を見据えていて。
「     」
夕陽を受けてきらめく彼女の長い髪を一房手に取り呼びかけると振り返る少女。
その瞳は紅く。
彼女が僕の名を口にする。
「     」
そして目が覚める。
 

「……じゃ、ヤマト隊長って呼ぶ。よろしくだってばよ!」
初顔合わせ。
カカシ先輩の代理として班の構成員になった僕にそう言ってナルトが笑った。
「よろしく」
握手をするために差し出した僕の手に慌てて応えようと手をのばすナルト。
二人の手が触れるかどうかの時。
バチッ!
「イタッ!」
「……え」
一瞬火花が見えたほどに派手に発生した……静電気。
ナルトは「ビックリしたってば!」と言いながら手をひらひら動かして痛みを散らそうとしている。
その手をカカシ先輩が取った。
「ナールト。お前またラーメンばっかり食って野菜を摂ってないだろう」
「う」
「だから血がどろどろになって静電気体質になるんだよ。気をつけなさい」
「……はーいってば」
そんな二人の会話をよそに僕は自分の手の平をじっと見ていた。
ナルトに触れた時に視えた……あの映像は。
「隊長、痛かった?ゴメンってば……」
考え事をしていた僕の視界にナルトが入ってきた。
いかにもションボリしてますって顔を見たらなんだか可笑しさが込み上げる。
「ビックリしたけどね。気にしなくていいよ」
そう言って彼女の頭をぽんぽんと軽く叩く。と、途端に。
まただ。視えた。
「……」
「ヤマト。ナルトが困ってる」
カカシ先輩の声に我に返ると僕の手の下でナルトがびくついていた。
「ああ、ごめんごめん。ちょっとぼんやりしちゃったよ」
「お前ねー。その無表情はやめときなさいよ。ナルトが怯えちゃっているでしょ」
そのままカカシ先輩はナルトを自分に引き寄せると彼女の耳元で何事か囁く。ナルトはというと一瞬顔を赤くして……そしてくすくす笑った。
その反応に気を良くしたらしいカカシ先輩は目を細めて彼女の頭を撫でている。そして僕のほうをちらっと見た。その視線は大層鋭く。
暗部時代には見ることのなかったカカシ先輩のその行為にあることを思い出した。
それなりのレベル以上の忍の間で実しやかに流れている噂。
 

"はたけカカシはうずまきナルトになにかしらの執着を持っている”。

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