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2024年05月19日
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いつか始まるこれから始まる

2009年05月17日

いつか始まるこれから始まる
 


これはナルトが自来也と共に修行の旅に出ていたときの出来事。
 

「あれ。なんでケーキがあるってば?」
夕刻。
現在定宿にしている部屋に戻るとテーブルの上にはケーキがあった。
小さいながらも綺麗にデコレートされたケーキが1台。
「今日はお前の誕生日だろうて」
「あ……!」
ということは。
「コレ、エロ仙人が?」
「まぁな。可愛い弟子を祝ってやろうという師匠愛だ。喜べ」
「わぁ……」
その頬を心持ち染めたナルトを見て自分の気まぐれな行為も捨てたものじゃないなと自来也は笑う。
今目の前にいる弟子は生まれたときからやっかいな運命を背負い込んでしまったのでまともに祝ってもらったことがないらしい。
それどころかその日は忌み日、鎮魂日だったのだ。
「木の葉の里じゃー、な。仕方ないだろうがここはそこから離れた地。お前の誕生日を祝ったとしてもなーんも問題ない。お前が卑屈になる必要もなーんもない」
「……うん」
「さぁ食え!」
「うん!」
あまーいうまーいエロ仙人ありがとーと言いながらケーキを堪能するナルトにますます自来也は気をよくする。
「誕生日といえばプレゼントじゃが……あいにくお前が欲しいものが思いつかなくてのぉ。なにかあるか?」
するとフォークを口に咥えた姿勢でナルトの動きが止まった。
「どうした?この自来也、仙人を名乗っておるのは伊達じゃないところを」
「カカシ先生」
「は?」
「カカシ先生にアイタイ」
自来也は、ぽつりと呟いたナルトの顔をまじまじと見てしまった。
「お前……」
「あ……あはは!今のなし!」
顔を真っ赤にしたままナルトは再びケーキを頬張る。
「カカシのことを好いとるのか?」
「好きだってばよ?」
その打てば響くような反応に自来也は首を捻る。
「じゃさっきのはなんじゃ」
「だからーそれはなし!って言ったってば」
エロ仙人もう呆けたってば?とナルトは失礼なことを口走っている。
なるほど、と自来也は思った。
「ガキンチョめ」
「……む!」
まだ自分の気持ちを自覚もしとらんうちから相手を求めるとはのぉ。
カカシはカカシで、あーだから。
修行以外にも見守る楽しみが出来た、と自来也は文筆家の顔をのぞかせた。



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2009/05/05初出

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