ＬＯＶ

二人の食卓３　

「それで今日は？」
「キャベツ。だって」
「旬ですから、だってば？」
「うん」
テーブルの上にごろごろとキャベツを並べてみせるとナルトが小さく唸る。
「先生の知り合いにねーキャベツ農家っていうの？そういう人がいてね。収穫期になるといっぱい送られてくるの」
「……先生って料理しない人だよね？今までどうしてたんだったば？」
「はっぱはがして生で食べたり、茹でて食べたりしてました」
「ふーん」
ナルトがキャベツを手に取りつつなにか考えこんでいる。

30分後。

「出来ましたっ！」
いわれてテーブルにつくとパスタにサラダに……これは野菜ジュース？そんなキャベツ尽くしな料理の数々が。
「サラダはね、鉢植えハーブたちにちょっと頑張ってもらったんだけど……先生ちょっとびっくりするかもだってば」
そう言われてよく見る。
「みかん？」
「日向夏だってば」
ほぐされた実とハーブが茹でキャベツに混ぜられて、それにオリーブオイルと塩で味付けされている。
うまい。
また胃袋をわしづかみにされてしまった。
「ナルト、すごいねー」と言うと「先生の食べ方のほうがよっぽど旬を味わっているんだってばよ？」と返された。


2009/5/8～2009/5/14