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2024年05月19日
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神よ、この感情をどこにぶつければ?

2009年05月05日

神よ、この感情をどこにぶつければ?
 


「カカシ先生ー!久しぶりだってば!」
二年半ぶりに会った金色の髪をもった子は笑顔のイメージはそのままに、それでもずいぶんと成長していた。
髪も瞳も、表情もキラキラしていた。
「大きくなったな……ナルト」
綱手様からは直接、自来也様からは文書でナルトの帰還予定の報を受けていた。
その日をどれだけ心待ちにしていたことか。
逸る気持ちを抑えて過ごす日々の長かったこと。
それでも今目の前にいる子を見るとそんな苦労も報われるというもの。
可愛く成長しちゃって。緩む表情は口布が隠してくれた。
だが想いは動きとなって表れてしまう。
右手が自然とナルトの頭を撫でていたのだ。
髪の毛もずいぶん伸びた。
木の葉の里では特徴的な金色。ツインテールにしたそれが撫でる度に揺れる。
ナルトはというと嬉しさ半分恥ずかしさ半分といった表情で目を細めて、されるがままになっている。
ホント、可愛くなっちゃって。
カカシも目を細めた。
 

その後ナルトからお土産だと称して渡されたイチャイチャタクティクスを読んでいると目の前には自来也様が立っていた。
「まぁ約束通りナルトはお前に返すからな」
「そりゃドーモ」
「それにしても……お前、反応が薄いのぉ」
「なにがです?」
「あのナルトの姿を見てあの程度だとはな。わしは拍子抜けしたぞ!」
確かにナルトは2年半の間に見違えるように可愛く……いや、綺麗になっていた。
今の姿なら男の子と間違える者もいないだろう。
しかし自来也様の憤慨ぶりの理由がわからない。
自分が磨いたから、とか自慢したいのだろうか。
「まだ気がつかんのか?今のナルトはホレ、お色気の術~♪とかいって変化した姿そのままだっちゅーのに!」
イルカもエビスも、他の忍連中も口あんぐり開けて驚いておったというのにお前ときたら!と自来也様は文句をつく。
「お色気の術の姿?」
「ボンッキュッボーン!の素っ裸のな!」
「……ハダカ?」
「おうよッまさかわしもあれが将来の姿だとは思っても見なかったがのぉ。……ってどうしたカカシ?」
カカシが小刻みに震えていた。
「自来也様……」
「な、なんじゃ?」
「俺、ナルトのお色気の術って見たことないんですよねぇ……」
「!」
おどろおどろしいチャクラを纏ってカカシが一歩踏み出す。
「自来也様も見たことあるんですね。そうですか」
ナルトの裸を。
「か、カカシ!落ち着け!ノー写輪眼ッ!」
その後、木の葉の里のあちこちから絶叫が響き渡ることになった。
 

どっとはらい。
 

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 2009/04/27初出 

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