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2024年05月19日
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爆弾LADY襲来!迎撃せよ!

2009年05月07日

爆弾LADY襲来!迎撃せよ!



夕暮れの商店街に威勢のいい声が響いた。
「ナルトちゃんだ!」
その声のした方をカカシ、サスケ、サクラが見るとナルトが羽交い絞めをされた状態でジタバタしている。
ナルトを押さえ込んでいる人物。
それは。
「ツメさん……何をしてるんですか……」
「お、カカシ君!久しぶりだねぇ!」
犬塚ツメ。
ナルトにしがみついているその人は、紅班に所属している犬塚キバの母親であった。
 

ようやく開放されたナルトはケホケホと咳き込む。
「あーキバの母ちゃん。こんにちはだってば」
「こんにちは」
それにつられて慌ててサクラも挨拶をし、サスケは軽く頭を下げる。
なんだかんだ言ってもサクラもサスケもその辺はきちんと出来る子なのだ。
あまりに豪快な彼女に圧倒されて反応が遅れたんだなぁとカカシは思う。
そんなことを考えている彼をよそに。
「ナルトちゃーん。今日もおばちゃん家でご飯食べてかない?餃子作るよー」
「ギョーザっておうちでも食べれるの?一楽でしか食べたことないってばよ?」
「ふふふー。じゃ一緒に作ってみるかい?」
などと言いながら両手に持ったスーパーの袋をナルトの前に翳してがさがさ鳴らしながら夕飯のお誘いをしている。
「……いいってば?」
ナルトは複雑な表情をしている。
子供らしい遠慮とは違うその表情。
忍びとなったら一人前の扱いをされるこの隠れ里は早くに大人であること、を要求される。
さらにナルトは境遇も相まって甘えさせられることに慣れていない。
事情がわかればその表情の所以も想像できる。そんな顔をしていた。
カカシがそんなことを思い、さらにそこから連鎖思考で己がナルトに対してどうにもできなかった過去の記憶の扉まで開いていたのだがそれをぶっ飛ばせる発言がツメの口から出た。
「いいのいいの。だってナルトちゃんは将来キバの嫁になるんだからねぇ。そういう約束だったし。
だったらウチの味っていうの?覚えてもらったほうがいいでしょ」
「「「!」」」
「だぁぁぁぁッ!母ちゃん何言ってんだー!」
後方からやはりスーパーの袋をがさがさ鳴らしながら、でも顔を真っ赤にしたキバが突っ込んできた。
「キバ、それに赤丸も」
「お、おうナルト。偶然だな」「アンアン!」
「さ、じゃ特売のキャベツは買ったし帰ろうか。カカシ君達、じゃーねぇ!」
「え?え?えー?」
ツメに腕を捕られたナルトはそのまま引きずられるように連れ去られていった。


「カカシ先生」
「なに?サクラ」
「今日私達、珍しく……カカシ先生の奢りで皆で一楽行くはずでしたよね……」
「珍しく、は余計だけど……その予定だったね」
「この展開ってなんですか」
「うーん」
「それよりもカカシ。嫁ってなんのことだ」
「……あー」
サスケが、サクラとは違う点につっこむ。
四代目周りにいたあの人達の戯言は単なる口約束。
お遊びの一環だったろうに、あれを言質とった!と言い出しかねない。
犬塚の女当主のあの勢いを考えるときっと本気だ。
「じゃー手土産もって犬塚家襲撃、という任務をお前たちに私的に依頼するよ。どう?」
冗談じゃない。
嫁なんて。
ホント、冗談じゃない。
四代目が許さないでしょ。だったら代わりに俺が阻止しないといけない。
そのために手駒をつかって何が悪い。
だって俺はナルトを守るんだから。
「さーて、いきますか」
上司の言葉に、こっくりと頷く部下二人。
お土産の団子を武器に、目指す戦場は犬塚家。



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2009/04/09初出

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