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2024年05月19日
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そうして彼は愚行を犯す

2011年08月31日

「無自覚先生の告白」なんていかがでしょうか?
>カツヲさま

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そうして彼は愚行を犯す
 


ジャガイモと言う野菜がある。
その外観ゆえに歴史的に食物として受け入れられなかったこともあったようなのだが、寒冷地にも強く年に複数回の栽培が可能で地中に作られることから鳥害にも影響されない、付面積当たりの収量も大きいということからジャガイモは庶民の食料として爆発的な普及を見せた。
食料問題が解決すると人口が増える。そうするとその増加した人口をまかなうためにさらにジャガイモの栽培が盛んになる。
今ではジャガイモは麦、米、トウモロコシに並ぶ「世界四大作物」としてその地位を確立している。
で。
ジャガイモ料理はいろいろあるが代表的なもののひとつであるだろうフライドポテト。
当然この居酒屋でもそれがメニューにある。
個室のテーブルのど真ん中。
テーブルの上には大皿に大量に盛られたフライドポテトしかない。
申し訳程度にアルミカップに入ったケチャップがちんまりと添えられているが、テーブルにはケチャップのボトル本体も置かれている状況はある意味異様である。
その量はいったい何人前なのかとか、本来ならばこの大皿に載るのはもっと……例えて言うなら店のご自慢の一品だろうと予想されるのだが。
ジャガイモは野菜ではあるが炭水化物でもある。
カカシが視線を上げると向かいの席で紅が人差し指と親指についた油を、一歩間違ったら下品といわれるかもしれない所作なのに優雅に、そして綺麗に舐めとっていた。
そして隣の席で「よし!どちらが先に食べ切るか勝負しようじゃないかっ!カカシようっ」とガイが豪快に笑っている。
カカシはそれに対して「やだよ、そんな勝負」と端的に告げると「む、むうぅ。クールなやつめ。だったらどういうのがいいんだ?」とガイが唸った。
今日のこの席にアスマがいないのでストッパーがいない。
室内の空気は熱いような冷たいような。
「それで?今日はいったいどんな報告?もしかしてとうとう告白したとか?」
「そうなのかカカシっ」
紅が問うとカカシは少しばかり宙を見上げそして頬をほんのり染めつつ後頭部を掻く。
その仕草に目を輝かせる紅、そしてガイ。
カカシは2人をちらりと見て、そしてようやく口を開いた。
 

今日の任務はジャガイモ掘りだったわけ。
あ、今お前らが食っているやつ。それ。持ち込み食材。ちゃんと食ってね。
んでさ俺はいつものように監視しながらアイツらが任務に精を出しているのを見てたんだけどナルトのヤツがさ「そんなエロ本読む暇あるんだったらカカシ先生も手伝ってってばよ!」って腕をぶんぶん振り回しながら言うわけ。
そしたらさサクラが「ダメよ、ナルト。カカシ先生のイチャパラタイムを邪魔しちゃ」とか諌めるのよ。サスケも一緒に頷いててさ。
見ればサクラとサスケがナルトの傍に寄っていって「妄想してんのよ。むっつりスケベだから。やーねぇ」とか「カカシは変態」とか「あんな大人にはなっちゃダメだ」とか俺のほうをちらちら見ながらナルトに耳打ちしてるんだよ。全部聞こえてるんだっつーの。
ナルトもナルトでなんか微妙な視線を俺によこすしさ。
だから俺は「俺のレベルじゃまだ序の口だぞー。大人っていうのはなぁ、ホントはもっとエロエロなんだよっ!お前ら耳の穴かっぽじってよーく聞けっ」
 

「……で?」
「大人のエロ真実を聞かせてやったんだよねぇ。例えばアスマはーゲンマはーガイもねー紅もあー見えてねそうそうイルカ先生もなーとかわかりやすい事例を出してさ」
「……」
「どうだ俺なんてまだまだマシだろ?本読んでいるだけで純なもんだよ。ねぇナルト、俺はこの里随一の稼ぎ頭だしそれなりに贅沢できると思うんだけどってね。でもさぁアイツら顔真っ青になって震えていたんだよ」
「……」
「……」
室内の雰囲気が少しひんやりしてきたがカカシは話を続ける。
「ナルトが俺を見てカカシ先生の馬鹿ーって涙目で訴えてくるしさぁ」
「カカシ」
「なによ」
「アンタさ、一方を下げればアンタの評価が上がるかもと思って言ったんでしょうけど、それ逆効果」
「え」
「ていうか何喋くってくれたのよ……っ!しかもそんなんで告ったなんていうなっ」
仁王立ちになった紅がカカシを見る。
その目は本人の本来の色以上に憤怒に染め上げられている。
あまりの怒気にカカシはとっさに額宛に手をかけた。
しかしその手はガイの右手によって阻まれた。
「カカシよー、俺のライバルたるもの、もうちょっと賢いと思っていたんだけどな。まぁこうなるのも自業自得ってやつだ。ハッハッハ」
キラリと歯を輝かせるガイ。
次の瞬間怒号と破壊音が店内に響き渡ったのである。

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お待たせしました!
カツヲさまは無自覚シリーズがお気に召していらっしゃるようでちょっと気合いれました。
とはいえ無自覚さんが自覚した状態の表現が難しくああーでもないこーでもないと悩みました(苦笑
カツヲさまのみ持ち帰りOKです。今後ともよろしくお願いしますっ!

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