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2024年05月19日
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傷が消えても痕は永遠(LOV2)4

2009年05月31日
ご注意。「そういう表現」があります。
傷が消えても痕は永遠(LOV2)4


まるで時が止まったかのような静けさが室内を覆う。
再びノックする音が聞こえた。
途端にナルトが小さくうなり声を上げながら身動ぎはじめた。

「ナルト?」
「先生、退けて。お願い」
「・・・」
「隊長が来てる」
「ヤダ」
「何言って!うッ」
思わず大きい声をあげてしまいそうになったナルトの口を押さえ、そのままカカシは腕の中に閉じ込めた。
「イヤダ」
それでもナルトは無言で首を横に振って抵抗を見せる。
どうやら意識はドアの向こうの存在に向いているらしい。
カカシはため息をついて、続いて素早く印を結んだ。
「・・・結界を張ったから」
ノックの音はまだ時折聞こえている。
玄関の向こうから様子を伺っているような気配はあるけれども、きっとそれ以上は彼は踏み込んでこないだろう。
「今は俺だけを見て」
そう耳元で囁くとナルトの体がぴく、と震えた。
カカシはゆるゆると腰を律動させた。
ナルトはその度に甘い吐息が漏れそうになるのを必死に堪えている。それでも抑えきれない声、そして表情。
初めて与えられた快感に戸惑って、それをどうにか逃がそうとしている。
その全身が、さらにカカシを煽ることになっているとはこの子は気づいてないのだろう。
ある箇所を意識して突くと、もっとと強請るように絡み付いてくる彼女のナカ。
それに応えてしまう自分にカカシは哂ってしまう。本当にどうしよう嬉しくて仕方ない。
だんだんと激しくなる動きに互いの汗が交じり合う。
ナルトの前髪が額に張り付いていたので手の平で払うとナルトの潤んだ目がカカシを捉えた。
「ナルト。すごいイイよ」
一瞬責めるような色合いを瞳に浮かべたナルトは、それでも連続で与えられる刺激にすぐ翻弄されはじめる。
ナルトが喉を逸らせ引き攣ったような息をしはじめた。
「せ、せんせ」
「ん・・・なに?なぁに、ナルト」
「・・・!」
一瞬気を失いかけたのかナルトの目の焦点がぶれた。
それを見て、彼女の内なる変化に追い立てられるようにカカシも自分の想いをそれに代弁させて彼女の中に放った。

いつの間にかヤマトの気配は消えていた。

『昨日ナルトの家に行ったんだけど・・・もしかして寝てたのかい?』
『う、うん。私ってば隊長が来たのも気がつかないくらい熟睡してたってば。ゴメン!』
『・・・まぁいいけどね。別にたいした用じゃなかったわけだし』
『本当にゴメンってば!』
『いいよ、そんな必死になって謝らなくても』
そう言ってヤマトがナルトの頭に手を伸ばして撫でようとした時、一瞬ナルトの体が硬直した。
それにわずかに表情を変えたヤマトを、離れた場所でカカシは見ていた。

ナルト。今のでヤマトは何か勘付いちゃったかもよ。まぁその方が俺としても都合がいいんだけどね。

ヤマトは初代火影と九尾の間にあった感情に記憶を揺さぶられて引き摺られているにすぎない、とカカシは思っている。
だから運命なんて言葉を使うほどに勘違いをしているのだ。
ではカカシはというと?
実のところカカシは自分がナルトに向けている想いは単なる恋情だとは思っていない。
いつの頃からか生まれたその感情はもはや恋なんて表現では当てはまらない。
もっと強欲で貪欲で、根が深いものだ。
それを知っても・・・きっとナルトは自分をなでてくれるだろうけど。

一度だけとカカシは言ったが今日も彼はナルトの部屋に行くつもりだ。
きっとナルトはこれからも自分のために窓の鍵を開けたままにしておいてくれるはず。
ナルトを呪縛したのだ。
もうヤマトにはナルトを渡さない。いや誰にも渡さない。九尾にだって。

ナルト。ナールト。
俺だけをなでて。
甘えさせて。尽くさせて。
お前を守る俺を褒めて。
好きでいさせて。

カカシは自分をなでるナルトの手を夢想して口布の下でうっとりした表情を浮かべた。
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