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2024年05月19日
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2010年10月04日
我侭、言っていいですか


この歳になったら誕生日だからといって取り立てて自分からなにかしようと思うわけではないがそういうことをイベント事に組み込みたいという輩が世の中には存在するらしい。
例えばゲンマ。
「ダメっすよカカシさん。日々の殺伐の生活に埋没している己に慰労という名の御褒美をあたえてあげましょうよ」
例えばアスマ。
「どうせ馴染みの店によって飯食ったら家帰って寝るだけだろ?」
例えば紅。
「だったら呑みにいこうよ。もちろんワリカンで」
例えばアンコ。
「むさいのばっかだとあれだからくのいち連中に声かけとくわ」
例えばガイ。
「よしっカカシ!勝負だ!」
例えば今帰路につこうとしているはずの俺の右腕にしな垂れかかって歩いているくのいち。
名前もよく知らないコイツが時折俺を見上げて「うふふっ」と笑って何か話しかけてくる。
ちっとも頭に入ってこないその会話内容に適当に相槌をうってみたりするのがいけないのだろうか。その子がますます擦り寄ってくる。
そういえば店を出る時ゲンマとアスマがにやにやと笑っていたっけ。
お持ち帰りパターンとでもいうのであろうか、この現状は。
(面倒くさい)
気取られないようにひっそりと息を吐く。
今晩の宿くらいなら提供してやるから、おやすみー、と言ったとしてだ。納得してくれるだろうか。
あの場では誰も彼もが好きなアルコールを摂取してそれなりに楽しい場になった。
居酒屋のメニューはアルコールが入るのが前提になっているせいか油過多だったり塩分過多だったりする。
それはそれで美味いんだけども最近頼むメニューが超安定路線になっているのは気のせいだろうか。それでいてそれを注文しといて他人に食べなと勧めていたりするから決して食欲は満たされていない。
(あー。米、食いたいなぁ……)
自分の住処であるアパートの階段をあがっていく。
カン、カン、という音が妙に響くのは上忍アパートとは名ばかりの安普請のせいだろうか。
そして。
「カカシ先生」
視界に入るのは、金色を頭上に掲げたかのような小さい存在。
それが俺と隣に並ぶ女を交互に見て戸惑ったようにへらりと笑顔を見せた時。
俺はその時出せるであろう全力でもって横の女を突き放した。
イベントに託けるならば、叶うならば「そういう日」に一緒に過ごしたいと思うヤツが、そこにいたんだ。
当然の行為だ、なにが悪い。

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2010/9/15~2010/10/5 
2010カカシ先生お誕生日お祝い文。
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