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2024年05月19日
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無自覚の否定は確信には至らないのだけど(無自覚・番外)

2009年04月17日

無自覚の否定は確信には至らないのだけど(無自覚・番外)
 


木の葉の里の病院のある一室。
カカシはナルト、サクラ、サイ、ヤマトと顔を合わせていた。
「そう。それでもサスケには会えたんだ」
「でも私、今のサスケに全然届いていないってば。
まだまだ力不足。あれだけ修行したのに」
悔しさのせいか、床を見据えたままなナルト。
横に立つサクラも唇をぎゅっとかみ締めている。
「こらこら。二人ともそんなに暗い顔をするな。
だいじょーぶ。俺はお前らの力を信じているから」
あの時俺達カカシ班にあった絆はそんなに脆いものじゃないだろう?
カカシが目の表情を和らげるとナルトもサクラもつられたかのように笑う。
「こんなことで落ち込んでいる場合じゃないってばね!」
「そうよ!私達の想いはそんな簡単にダメにならないってこと、今度こそサスケ君にわからせてあげないとね!しゃーんなろー!」
元気を取り戻したのか修行だのなんだの言い出す。
「そういえばカカシ先生。ヤマト隊長ってばすごいってば!さすがカカシ先生の後輩だってばね?」
「へえ?」
くりっと目を輝かしてカカシを見つめながらナルトは今回の任務でのヤマトの話をする。
後ろに控えているヤマトはというと苦笑を浮かべている。
 

「長居しちゃったわね。そろそろ帰りましょうか」
とサクラが声をかけるとサイはこくっと頷く。
「もうそんな時間?じゃ、ヤマト隊長。次の任務もよろしくってばよ?」
「ああ。でも今日のところはゆっくり体を休めなさい。おって指示がいくと思うから」
「はーい」
ヤマトが退室していった3人を部屋の出入り口で見届けた後、室内を振り返るとベッドの上のカカシからドス黒いオーラが出ていた。
「か、カカシ先輩?」
「テンゾウ」
「先輩、ここではヤマトと……」
「うるさい。なんでお前ナルトから隊長ーなんて親しげに呼ばれているの。なにその特別扱い。ナルトに褒められてデレデレしちゃって。だいたいそんな顔でナルトを見るんじゃないよ!」
「え……」
「お前なんかテンゾウで十分だ」
ぷいっと横を向いてしまったカカシを唖然とした表情で見るヤマト。
そして思わず口に出してしまったのだ。
「先輩はナルトが好きなんですか」
「うるさいな」
横を向いたままの姿勢で真っ赤になっていく元暗部先輩は本当に自分の知っている人物なのだろうかと思うヤマトであった。
 


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2009/03/25初出

番外は二部設定で。
二部ナルはちょっぴり成長しているので一人称もオレから私に変えてます。
 語尾はそのままですけど(そうしないと誰が話しているか、私がわからなくなる……)

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