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2024年05月19日
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強さも弱さも全て飲み込んで(LOV4) 17

2009年12月10日
強さも弱さも全て飲み込んで(LOV4) 17


「この方は木の葉の里の伝説の三忍と謳われたうちのひとり、自来也様です」
紹介されたその人はすごくでかい。もしかしてカカシ先生よりもでかいかも。
「またの名を蝦蟇仙人。小僧、ワシはすごいんだぞ」
「小僧じゃないってば。オレってば女!女の子なの!」
「そうなのか?そりゃ悪いことを言ってしもうたな。しかし女の子と言い張るのならちったー可愛げのある格好をすればよいのに。ミニスカで足を出すとか」
オレを上から下までじろじろ眺めてそんなことをいう。失礼だってば。
「むっつりスケベの次はオープンスケベのエロ仙人?カカシ先生もイチャパラずーっとしかも堂々と読むし。大人の男の人って皆スケベだってば」
「ほぉ?相変わらずカカシは熱心な愛読者なのか。……それにしてもエビスよ。里を離れている間にお主、そんな風に呼ばれるようになったか。なかなか面白い方向に弾けたようじゃの?」
「いやいやいやッ違います!それはうずまきさんが勝手に!」
「オレのお色気の術で鼻血ぶー、吹いたじゃん」
「うずまきさーんっ!」
いつもはすました顔して真面目なことばかりいうエビス先生が上擦った声を出して焦っているのが面白いってば。

そのエロ仙人に、それでうずまきナルト。お前はここで何をやってるんじゃ?と聞かれたので中忍試験の本選のための特訓をエビス先生から受けているんだってば!と答えると「元気のいい返事じゃの!」と頭を撫で繰りまわされた。
里の人はたいていオレに対して冷たい反応をするのが普通。
それがこの目の前にいるデカイ人はニコニコ笑っているからどうしていいか戸惑ってしまって思わずエビス先生の顔を見る。
オレの視線に気がついたエビス先生は小さく肯く。
「修行には向かん場所だと思うがの?」とエロ仙人が周囲を見回しながら言う。
「だいたいお主の“先生”はカカシじゃろうて。なんでエビスが見ている?」
「……カカシ先生はサスケを鍛えるから。俺に構っている暇ないって言ったってば」
「カカシがそう言ったのか?」
「うん」
エロ仙人が「あのカカシがのぉ」と呟いたのは耳に入ってきたけれども。
ほんの数時間前のやりとりだったけども、そのことを思い出すとやっぱり悲しくなって俯く。
オレの頭上で「自来也様、実は少し気にかかることが」とエビス先生の言葉が耳に入ってきた。
見上げるとエビス先生がなにやらエロ仙人に耳うちをしてる。そして二人がオレを見返してきた。
「ナルト、といったな」
「う、うん」
「腹を出してみろ。ほら、服を捲れ」
「はいってば!」
……。
……?
……!
むっつりとオープンな2人がオレの腹を見ている。
「じ、自来也様っ!今ですか?」
「おうよ!チャンスを逃すなっ!」
えええええ?今オレってばスケベな大人の前でピンチーっ?
オトナって!大人ってー!って叫ぼうとした瞬間エビス先生がオレから視線をずらしたままでオレの口を塞ぎ、そしてエロ仙人がオレの腹に向けて掌底を打ち込んできた。
そのままだったら地面に背中から倒れこむはずのオレをエビス先生が後方から受け止めてくれた。
それでも腹に衝撃が来る。痛くて痛くて。また気絶しそう。
「大蛇丸め、適当に埋め込みおって。しかしカカシがこれに気づかんとはなぁ。貸し1だな」といって笑っているエロ仙人が見えて。
「……カカシさんもいろいろと」背負わせているのは里の事情もありますけど、罪ですよねと笑う声はオレの口を塞ぎつつ抱きとめてくれているエビス先生。
(オレ、やっぱりカカシ先生に迷惑かけてんのかな?)」と意識が遠のきそうになりながらそれでも頑張ってエビス先生に視線を向けるとやはりうすく笑っていた。
「あの人があなたのために望んでやっていることです。馬鹿なことを考えていたらカカシさんが可哀想ですよ」とエビス先生が。
「馬鹿同士でちょうどいいじゃろうて」とエロ仙人の楽しげな声が聞こえた。
そして。
『……?……っ!エロ仙人とやらに感謝の意を現しておけ!』
九尾の声が聞こえた。
本当に久しぶりに聞こえたと思ったオレは嬉しくなって、返事がしたかったのに腹の衝撃が痛くて、そのまま意識を放り出した。
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