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2024年05月19日
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強さも弱さも全て飲み込んで(LOV4) 15

2009年12月07日
強さも弱さも全て飲み込んで(LOV4) 15


カカシ先生の所在を尋ねまくったオレが得た情報はサスケが入院している病院にいるというもの。
そのサスケは怪我が思わしくなくて、面会謝絶状態らしくて、先生が付きっ切りらしい。
それでもオレは病院に足を運んだ。
だって本選は1ヶ月後。
先生。
オレってば強くなりたいの。
皆を守れるくらいの強さを手に入れて、守りたいの。

「先生っ!カカシ先生っ!」
病院の受付でサスケの病室場所を確認しようとしていたら廊下の向こうからカカシ先生がこっちに向かって歩いてきているのを見てオレは思わず声を上げた。
「ナルト」
「カカシ先生っ探したってばよー!」
ここは病院、他の人に迷惑かかるから静かにしなさいね、と先生がオレに注意を促す。
でもここで会えたのはちょうどよかったと先生が微笑む。
「あのさ、あのさっ」
逸る気持ちを抑えきれなくてまたオレは大きい声を出してしまう。
先生。
日向ネジはとても強いし、砂漠の我愛羅も死ぬほど強いと思うんだってば。
でも先生に波の国で教えてもらったことでオレは以前より強くなった。
それから強くなる目標があるともっともーっと頑張ることが出来るのもわかった。
それを支えてくれる人や負けたくないと思う人の存在もわかった。大事と思う存在も。
また修行をしたら、さらに強くなれるだろうと思うとわくわくする。
今度はどんな修行をするんだってば?
「オレってば!」
「皆まで言うな……」
そういってカカシ先生が手を伸ばしてきて、オレの視界を遮る。
「お願いあるだってば!」
その手を避けて自分の思ったことを伝えると、カカシ先生が小さくため息をついた。
「そうくると思ってな…?」
先生はさらに手をのばしてオレの髪の毛をかき混ぜてきた。
撫でられると気持ちよかったり嬉しくなったりするのは何故なんだろう。
顔といったら右目しか見えないカカシ先生が微笑んだのがわかる。
「お前の修行を見てくれる人を探しておいたから」
「……え?」
先生が見てくれるんじゃないってば?
先生、カカシ先生。オレ頑張るから。
「な、なんでっ」
「俺はちょっと用があってな?お前に構ってる暇はなーいの…」
オレに構っている暇がない?その意味を考えると怖くなる。
「さては!サスケを鍛えるつもりだな?!」
「……ま!そういうな」
先生は否定をしない。つまり肯定だ。
それってサスケの修行を見るのが忙しくて、オレの修行はみる”暇”はないってことだってば?
「お前には俺よりしっかりした先生を見つけてきたから」
その言葉がぼんやりした意識に入ってくる。
オレの先生は、カカシ先生だけなのに。
「ナルト?」
「カカシ先生がいい」
「……」
「カカシ先生じゃなきゃいやだってば!」
待合室にオレの声が響き渡った。
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