忍者ブログ

[PR]

2024年05月19日
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

拍手log

2009年11月20日
依存症


ナルトが包帯を俺の手に巻いている。
くるくる。
器用だなと思う。慣れているなとも思う。
ここにいるとナルトの気配に囲まれている気がするから、このままなら幸せのうちに死ねるかも。
そんなことを夢想する。
ゆっくり瞳を閉じて。さらにゆっくりと息を吐いて肺の中の空気をからっぽにして。

べし。

息を吐ききって数秒後、頭部左側に衝撃。
その反動で呼吸運動が甦る。
見るとナルトの右手を掲げている。ああ、そうか。叩かれたのか。止められたのか。
「痛いんですけど」
「痛くなるよう叩いたんだから当然だってば」
「そうか」
ねぇ面の兄ちゃん、死にたくなったの?とナルトが問いかける。
ちょっとだけね、と俺は答える。
「だったらオレのそばじゃ無理だってばよ?」
くるくる。再びナルトが包帯を俺の手に巻きながら言う。その手つきが優しくて。
「……死にたいんだったらオレの近くじゃ無理だってば」
本当に優しくて。
「オレが駆けつけられないとこじゃないと無理だってば」
ぐず、と鼻をすする音が聞こえた。
うん。
わかってる。
俺はお前に甘えちゃってる。


俺様ネタ。
2009/11/11~2009/11/20
PR
« ++ | HOME | ++ »