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2024年05月19日
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花香る桃色の日

2009年04月09日

「君達どこ行くの?」
突然目の前に現れた上忍の姿に驚くサクラ、イノ、そしてナルト。
「カカシ先生!」
 


花香る桃色の日
 


「や。こんにちは」
「もーいきなりだったからびっくりしたじゃない。コンニチハ」
「こんにちはぁ」
「こんにちはだってば」
カカシが挨拶で仕切りなおすと三人三様の反応。
「あ、私達ヒナタの家にお招きいただいているの」
ひな祭り、とサクラが答える。
今カカシの目の前にいる三人は珍しく着物姿。
花のようである。
「でもどうせ見られるんだったらサスケ君がよかったなー」
「ねー」
あいかわらず恋に全力投球なサクラとイノに苦笑を浮かべる。
「あのねあのね。ヒナタん家のひな人形ってすごい大きいんだって。それでひな遊びってのするんだって。オレってば初めて!」
「ふぅん。ナルト、その着物どうしたの?」
「じっちゃんに今日のこと話したら用意してくれたんだー」
「そう、よく似合っているよ」
「えへへ、アリガトー」
カカシの言葉に頬を染めるナルト。
おお、情緒が育っている……とカカシは感動した。
「じゃ、先生。私達行くねー」
花達がその場を去っていく姿を見守ったあと少し考え込んでカカシはその場から消えた。
 

「サクラちゃんイノちゃんナルトちゃん、いらっしゃいませ」
三人を玄関先で出迎えるヒナタ。
彼女もまた違う雰囲気をもつ花だ。
「たいしたもてなしは出来ないが楽しんでいってくれ」
日向当主のヒアシもそう声をかける。
普段は厳しい表情をしている彼も今日は心なしか柔らかく微笑んでいる。
「ヒナタ、部屋に案内してやりなさい」
「はい、父上」
そうして連れ立って子供達が室内に入っていくのを見届けてヒアシは向き直った。
「それではたけカカシ上忍。それはなんの真似だね」
「それってダレデスカー」
「わざわざ変化して、なんの真似かと問いているのだが」
ヒアシが先ほどから会話している相手。
年のころはナルト達と変わらない着物姿の女の子だ。
口布と左目を隠すように斜めに巻いた額宛をしているが。
「……」
「私もヒナタちゃんにお招きいただいたんですぅ」
「ごまかすな。白眼を使わずともわかるわ」
周囲の空気が妙に寒々しい。
「この件は三代目に伝える」
「ちょ……!」
 

後に、はたけカカシは語る。
「だって俺もナルトと一緒に過ごしたかったんだもん。ひな遊びしたかったんだもん」
この釈明を聞いた三代目はしばらく偏頭痛に悩まされたという。
 

どっとはらい


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2009/03/10初出

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