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2024年05月19日
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強さも弱さも全て飲み込んで(LOV4) 3

2009年10月08日
強さも弱さも全て飲み込んで(LOV4) 3


きっかけはほんの些細なこと。
イケスカナイ、とか思っていた相手の今まで0評価むしろマイナスだったそれがちょっとのことでプラス要素が加わるとなまじ底辺印象だった分、大いにひっくり返ってイイ奴だってば!となる。
だからそういうことだと思う。

七班の任務がいわゆる雑用ばかりだとしても大切なお給金が得られるわけで文句をつけつつもいつも一生懸命取り組む。
だけどオレがなんか失敗するとすかさずサスケがツッコんでくる。
ムカツクってば。
今日もそういう小さい失敗をして、自分でもちょっと落ち込んでいたんだけどやっぱりサスケがドベとかウスラトンカチとか言うからムキになって言い返してたらカカシ先生に叱られた。
オレは反省してたんだってば。だからあれで拳骨食らったのはサスケのせいでオレは悪くないと思う。むしろ被害者。そこんとこ、分かっている?先生?
「んー。でもそれってサスケがナルトをよく見ていて、だからちょっかいだしたってことだーね」
今日も帰り道はカカシ先生が一緒。
なんだか最近はずっとこうやって一緒に帰るから珍しくもなくなって、だから並んで歩くついでに今日のことを話していたらそんな風に返された。
「見てる?」
「そう。よく見ているよー」
「なんで?」
「さぁ?」
それに口癖みたいなもんでしょ、ドベとかウスラトンカチとかって言うのはさ。ナルトはその度に反応するからねー。
のんびりと続ける答えるカカシ先生の言葉をじっくり考える。
それって。
カカシ先生を見上げると先生は「ん?」とオレの様子をうかがっているみたいだったから、それから逃れるようにオレは視線を前方に向けた。
サスケとサクラちゃんが歩いていている。
いつもの光景。
するとサスケが振り返る。目が合った、気がする。だって途端にイイ顔で微笑んだんだ、サスケのくせに。
思わずオレは足元へと目線を落とした。
サスケがオレを見ているんだ、と思ったらなんだか急に恥ずかしくなる。
だってオレが普段周囲から、里の人たちから向けられる視線って大体冷たくて厳しくて。ずーっとそんなんばっかりで。
なのにサスケがあんな表情を浮かべて。
「なんでもないってば……」
夕陽で出来た自分の影を見ながら呟いた。
顔が火照るのは夕陽のせいだ。そういうことにしよう。
ぱむ、という音がした。
カカシ先生が手にしていた本を閉じた音だ。
ついで先生が小さくため息を吐いた。
オレはまたなにかしたらしい。

そして波の国で。
オレにとって七班が、特にサスケという存在が特別になった。
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