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2024年05月19日
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花咲け恋の歌 2

2009年09月26日
なんというかギャップのある人だな、と思ったけれどもそれも魅力。
すでに惹かれていたわけだ。


花咲け恋の歌 2


皆と別れた数時間後、俺は森を駆けていた。
「……くそっ」
先ほどから俺を追う影が3つ。
気がついたときには囲まれていた。
相手の姿を確認する間もなかった。煙幕で視界が遮られたと同時に俺に向かって放たれた苦無。
それをすんでのことでかわせたのはよかったものの、さらに相手の一人が目の前に飛び込んできて鳩尾に一発。
その衝撃に呼吸が出来なくなり前かがみになった時、俺は後ろ手に締め上げられ口が布で塞がれた。
ようやく視界が晴れ、月明かりで相手を確認できる。額宛は無い。
それにしても。
(……殺さないのか?)
簡単にやられるつもりはないけれども。
「おい、お前」何事かを相談していた三人のうちの一人が俺に近づいてきた。
前髪を鷲摑みにされて上を向かされる。
「……」
「お前にはしばらく俺達の目になってもらう」
途端に視界が霞む。まずい幻術だ。
必死に術抵抗を試みるが相手の能力のほうが上のようだ。圧倒される。
(……くっ)
「そこまでだ」
ぱん、という軽い衝撃とともに圧迫感がなくなった。
そして俺の目に入ってきたのは右手に尋常ではないほどのチャクラを集束させて相手に突っ込む女性の後ろ姿。
印象的な、金色に輝く髪色をしたその人は。
「うずまきさ……ぐっ!」
敵に向けてぶつけられたチャクラの威力はものすごく、周囲の木をなぎ払い地面を抉った。
その衝撃で飛んできた石飛礫が俺の頭に直撃し、不覚にもそのまま俺は気を失ってしまった。

「……カ……カカシー」
「う……」
目を覚ますと狐面がじっとこちらを見ていた。
「よかった!気がついた」
「……」
「大丈夫?気分悪くない?」
「いえ。あの」
「気がついたらお前頭から血を流して気絶しているしびっくりした」
言われて頭を触ると包帯が巻かれていた。
「……ヤツらは?」
「安心していいよ」
ほら、と後ろを促されて見ると数人の暗部がやつらを拘束していた。
「ではこのままイビキ隊長の下へ連行します」
「うん頼む。オレは火影様に報告がてらこの子を送るから。では散」
その場に残ったのは俺と狐面の彼女だけ。
「あの、うずまきさん」
「え。なんでオレだってわかったんだってば?」
名を呼ぶと例の特徴的な語尾がついた。
「それはまぁ……俺はわかるんです」
「なんで?」
口調は隠してたし、この髪のせい?と自分の髪の一房を手に取りながら小首を傾げているうずまきさん。
「どうしてか教えてあげましょうか」
その代わり、面をとってもらえませんか?という俺の申し出にうずまきさんはあっさりと面の結び目を解いた。
うずまきさんの両の蒼い瞳が俺をまっすぐ見ている。

「スキだからです」
「は?」
「俺はうずまきさんがスキだからわかるんです」
「……うん。アリガト」
「どういたしまして。じゃなくて。俺としてはお付き合いをお願いしたいのですが」
「えーっと。オレってばお前より年上だけど」
「知ってます。サスケ先生と同じ年齢なんですよね」
「本気で言っているってば?」
「モチロン。結婚前提でお願いします」
しばらく何事かを考え込んでいたうずまきさんが顔をあげた。
照れくさそうに笑って「んじゃオレの父ちゃんに紹介するってば」と言った。
そして連れられて来たのが火影様の執務室の前。
「あの……うずまきさん?」
俺の戸惑った声にただいつものように笑みを見せるうずまきさん。
うずまきさんがそのドアをノックすると部屋の奥から「入れ」という声がした。
普段は訪れることのない場所への入室を促されて足を向けると目に入ってきたのは伝説の三忍として名高い、そのうちの二人自来也様と綱手様、そして四代目火影である波風ミナトその人であった。
「……以上、任務終了の報告だってば」
気がつけばうずまきさんが口頭で報告をしていた。
「わかった。次の指示があるまで待機だ」
「他の情勢も今は特記することもないからの。しばらくは里にいることになりそうだ」
火影様と自来也様の言葉にうずまきさんは小さく頷く。
「怪我はないかい?ナルト?」
「オレってば全然ダイジョウブ!あ、でもよかったらこいつをちょっと診てやってくれないかなぁ。ちょっと巻き込んじゃったんだよね」
「またお前は周囲に目を配れないまま暴れたんだろう?少しは修行の成果とやらを発揮しな」
「うー」
綱手様とのやりとりを見ているといつもよりもうずまきさんがコドモっぽく見える。それもそうか。
どうやらうずまきさんは火影直属の部下。だから迅速かつ確実に。お父様にご紹介とやらの前に済ませておこうと思ったのだろう。
綱手さまから施される掌仙術を受けながらそんなことを考える。
「で、ナルちゃん。わざわざ口頭で報告しにきたってことはオレの顔を見たくなったのかな?嬉しいな」
「いやワシじゃよな」
「馬鹿どもが。ナルトは私に会いに来たに決まってる。そうだろナルト」
「まぁそうなるのかな。あのさ父ちゃんとエロ仙人とバーチャンに紹介したい人がいるんだってば」
は?
今うずまきさんはなんと仰られました?
「はたけカカシ君だってば。この人と結婚を前提にオツキアイすることになったから」
そうにっこり微笑むうずまきさん。
呆気にとられていた三人が我に返ったのか、それぞれ不穏なチャクラが漏れ出している。
「はたけ……。カカシ君だっけ。もしかしてサクモさんの息子さん?」
なんで苦無を取り出しているんですか火影様。
「ほー。そりゃ将来有望じゃのぉ。ならば今のうちに芽を摘んでおくのも大事かの」
何を口寄せしようとしているのですか自来也様。
「ナルトに目をつけるというのは中々じゃないか。しかし何分お前は若すぎる!」
ドゴッ。
極めつけは俺の左側の壁に綱手様のパンチ。
「う、うずまきさん!これって一体!」
「あれ?知らなかったってば?あそこに座っているのが父ちゃんで、エロ仙人はオレの師匠。バーチャンはオレの母ちゃん代わりだってば」
三人ともここにいて助かったー紹介が一回で済んだってば。
ニコニコとお三方を紹介するうずまきさんをよそに俺は魂が抜けそうになっていた。

火影執務室をあとにして、帰路につくことになった。
月明かりだけとはいえ地上にはうっすらと影が出来ている。
うずまきさんは俺のちょっと先を歩いている。
「びっくりしたってば?」
「はい」
「いろいろ事情があってね。だから父ちゃんとは苗字が違うんだってば」
下忍のままなのも実はそのせいでねー。オレってば将来火影になる女だってのにさー。
うずまきさんの表情は見えない。
「うずま……」
「あのさあのさ。オレってば、スキって言われたの初めてなんだってば」
だからすっごく嬉しかったー。
そう言って振り向いたうずまきさんは頬を染めていて贔屓目でみても可愛らしかった。
でもまて。
「あれ?じゃ、サスケ先生は……」
「もう!カカシってばまだそういうこと言うんだってば?サスケとは本当になんにもないってば」
ぷんすかしてますって表情をしていてもうずまきさんは可愛い。
ふと自分の担当上忍のことを考える。
きっとあの人のことだからそういう言葉を口にしないできたんだろう。それでもいつか想いは伝わると信じて。
やっぱりあの人はボキャブラリーが足りないんだ。
同情はするけどだからといって譲ってあげるわけではない。絶対譲ったりしない。
「そうだ。カカシー?好きな食べ物って何?」
「え?えーとサンマの塩焼きとか茄子の味噌汁とか……」
「ふーん。渋いチョイスだってばね?」
「そうですか?」
「そうだってば。じゃ今度作るから食べてね!」
「……ハイッ!」
「んじゃ次の休みは波の国まで魚獲りに行くってばよ!オーッ!」
「オー!って、ええええええ?」
素で驚く俺を見てうずまきさんは楽しそうに笑った。

俺に彼女が出来ました。
笑顔が可愛くて料理も得意で意外性の塊で、しかも最強の忍びのうずまきナルトさんです。

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4万HITSリクエスト主はノエルさま。
「個人的には子カカシ君とオトナル先生なんかもいいな~と思います。
ほのぼの、いちゃいちゃ、ラブラブ系が好きです」
オトナル(コ)“先生”じゃないし!サスケが先生してるし!(苦笑)
ナルコを取り扱っている時点でパラレルじゃないかと思っている自分からすれは年齢&立場逆転って未知の世界でした。
ほのぼのとラブラブはしていると思うのですがイチャイチャはどうでしょう?って仕上がりになりました(苦笑)
ノエルさまのみお持ち帰りOKです。キリ番GET&リクエストありがとうございました!
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