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2024年05月19日
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この時だけは俺のモノ

2009年09月16日

3万HITSリクエスト文です。

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この時だけは俺のモノ
 


「ナルト。忍びたる者、己の持ち得る能力を理解しそれを最大限に活かすというのが大事だ」
「ハイってば!」
「というわけで俺とのツーマンセルの任務やってみるか?Dランクではあるが状況によってはCにもBにも、もしかしたらAにも成りうる」
「やるってばよ!」
「よし。じゃコレ着て明日はこの場所に集合。これはお前にしか出来ないんだ。信じているぞ!」
カカシが差し出した紙片と紙袋をナルトはまじめな顔をして受け取った。


シカマルは母親に言われて商店街のスーパーにお使いに来ていた。
目当ては塩だ。
そんじゃそこらの塩ではない。
それを肉に振りかけて焼いたらあーら不思議、スーパーで売っていた塊肉が高級ステーキに早変わりー!というものすごい調味料らしい。
(ということは、今まで騙されていたのか?)
とシカマルは思う。
商品名が書かれたメモを片手に陳列棚を見る。
「…先生はコーヒーでいいってば?」
耳に覚えし声音の方向に思わず視線を向ける。
やはりナルトだった。
しかし。
「あ?」
なぜ。
なにゆえに。
己の脳がものすごい勢いで活性化しているのがわかる。
それは今目の前にある存在のわけを知りたいと思う知的好奇心からだ。
数秒後シカマルは自分が出来る最大限の行動をとることにした。
すなわち。
今のは見なかったことにしてお使いを優先させたのである。
めんどくせーことになりそうだけど、それも承知の上なんだろうなぁ。カカシ先生は。
そんなことを考えながら。


キバは赤丸を連れて散歩に出ていた。
公園に来ると木陰にシノが立っていた。
「よ、シノ。すっげー偶然ッ!」
ところでお前ここで何してるんだ?とキバが尋ねると「あれだ」と顎である方向を示した。
そこにはベンチに座って仲良さげに語らう男女の姿があった。
二人の間にはスーパーで買ったと思われる缶コーヒーとジュースとサンドウィッチ。
男の手がすっと隣に座った者の口元にのばされた。食べ物のかけらがついていたらしくそれを指先にとり一瞬で己の口の中におさめる。
途端に照れくさそうな表情を見せる、その二人の様子は大変微笑ましいものであったが。
「……あれってカカシ先生と」
「ナルトだ」
「だよなぁ」
でもなんで?
「さぁ。俺もわからないからこうして観察しているところだ」
「いつからだよ」
「かれこれ1時間は経つ」
お前って。キバは同じ班の仲間を少し可哀想な者を見るかのように見た。


ゲンマは待機所に行く途中カカシを見かけて声をかけたがその隣にいるナルトを見て固まってしまった。
コテツとイズモは本日も揃って阿吽の門での門番についていたが仲良く歩くカカシとナルトを見てやはり固まってしまった。
イルカはアカデミーの授業中、窓から二人を見つけたがナルトを視界におさめたとたん思わず手にしていたチョークを折ってしまった。
サスケは八百屋でトマトを物色中二人を目にしてしまい思わずトマトを握りつぶしてしまった。


予約していた本が届いたと連絡を受けたヒナタはネジとともに本屋に来ていた。
「それにしても多すぎないだろうかこの量は」
「確かに。だからネジ兄さんがいてくれて助かりました」
二人の両手には風呂敷に包まれた本が十数冊。
普段から鍛えているとはいえ重いものは重い。
いつもよりはゆっくりとした歩みで家路へ。
「おや、あれは」
反対方向から歩いてくる二人組にネジが気づき、その声にヒナタが視線を向けた。
と思ったら瞬時に二人組の前までの距離を一気につめたヒナタの姿をネジは見た。
(瞬身の術?まさか。それとも日向流体術の足捌き?いやいやそんな)
少しぼんやりした思考のまま足を進めるとヒナタの声が耳に入ってきた。
「な、ナルトちゃん!こ、こんにちは」
「ヒナタ!……とネジか。こんにちはっだってばよ」
「今日のナルトちゃん。か、可愛いね」
あ、いつも可愛いけど。とヒナタは頬を染めて言う。
確かに今日のナルトは可愛いのだ。
それは身に纏っている服がそういう風に演出しているせいで。
「でもハズカシーってば。なんか皆じろじろ見てくるしさー。こういう服はオレには似合わないってば」
「ううん。す、すごく似合ってるよ」
ふんわりと微笑むヒナタに応えるかのようにナルトも笑う。
彼女の特徴とも金色のツインテールは今日は解かれていて、その頭上を飾るのはレースをふんだんに使ったヘッドドレスカチューシャ。
さらにナルトの青い瞳に合わせたかのようなアクアブルーのエプロンドレス。
これもところどころにレースがあしらわれていてまるで。
「ま、まるでアリスが本から出てきたみたい……」
ほぅ、とどこか夢見がちに吐息をもらすヒナタにナルトは少々戸惑った風な笑顔を見せた。
「でも何故そういう格好しているんだ?」
至極真っ当な質問をネジはナルトにぶつけた。
「カカシ先生とのツーマンセル任務だってば」
「任務?」
カカシはいつもの忍服だから任務中といえばそうなのかもしれない。
それでもナルトのこの格好は説明がつかない。しかもツーマンセル。
さっぱり要領がわからない。
ナルトの隣に立つカカシをちらりと見るといつものように困ったような目だけ笑顔を浮かべている。
「それじゃナルトちゃんは今任務中なのね」
「そうだってば!」
「じゃ私がこうやって話しかけたりするのもまずかった?」
「ううん。なんかおとりっていうの?人が多いところで出来るだけ注目を浴びて誘い出すってことらしくてさ。今日一日いろんなところを歩き回ったってば」
「……そうなんだ」
なにやらヒナタの様子がおかしい、とネジは感じた。
先ほどからナルトに話しかけているのに視線はカカシを捉えたまま離さない。そしてチャクラが急速に膨れ上がっている気がする。
カカシはというと目線をうろうろとさまよわせている。
「あ、ネジ兄さんがモヒカンに」
「え、ウソッ!」
ヒナタの一言にナルトが反応する。
と同時に。
「八卦宗掌波」
え、とネジが驚いたときには土煙をまとったカカシが倒れていた。
「なんだよヒナター。ネジの頭変わってないってば……ってうおぉッ?カ、カカシ先生ー?」
駆け寄ろうとするナルトをヒナタは止めた。
「ナルトちゃん!カカシ先生は敵にやられたかもしれないわ!この場にいたら巻き添えに!」
「え?でも!」
「ここはネジ兄さんに任せておけば大丈夫!」
「は?ヒナタ様何をいって」
そしてナルトの手をとってヒナタは駆け出した。
「じゃネジ兄さん後は頼んだわっ!」
「ヒ、ヒナタ?え?ええ?ええーってばぁぁ?!」
気がつけばナルトとヒナタの姿はなかった。
「……ヒナタってナルトと話す時だけどもるんだねぇ」
「ああ、まぁ……そんな感じです」
「まさか日向流体術でツッコミくるとは思わなかったなぁ。ハハハ、不覚ー」
「任務ってウソなんですね」
「ウン」
「立てますか?」
「無理。ネジ君、肩貸してくれる?」
「いやです」
ネジは荷物を持ち直した。先ほどヒナタが置いていった分も含めて持ち帰らないといけない。
「では失礼します」
カカシは地面に突っ伏したまま片手をひらひらと振った。
 

カカシが怪我を負って木の葉病院に収容されたという話は瞬く間に人々に知れることになったが何故そういうことになったのか、ということは当人の口から告げられることはなかった。
が、一部の忍びの者達には理由が容易に予想されたらしい。
誰が手を下したのかまではわからなかったようだが。
サクラが見舞いと称して病室を訪れたらカカシの世話を甲斐甲斐しく務めるナルトがいたそうだ。
「怪我の功名ってやつだよねー」と己の担当上忍の声は嬉しそうだった、というサクラの話を聞いた前述の者達は一様に微妙な表情を浮かべたという。


どっとはらい

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リクエスト主はyasuさま。
「ナルトちゃんとイチャパラしてるところをみんなに見せびらかすカカシ先生。で、調子に乗ってみんなからの制裁を受けつつも(笑)、最終的にはナルトちゃんから優しく看病されてメロメロ~なお話」。
制裁はヒナタが代表してやりました(苦笑)
yasuさまのみお持ち帰りOKです。お待たせして申し訳ありませんでした!

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