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2024年05月19日
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一年に一度、訪れる大切な日

2009年09月14日

一年に一度、訪れる大切な日


「ナルト、いるー?来たよー。腹減ってるからなんか食わせてー」
少々草臥れた風情にさらに情けないことを言いながらカカシが窓から侵入したのだが部屋は無人だった。
「トイレかな」
ずんずんと部屋の中を進みトイレのドアノブを捻る。
他愛もなくあいたそれを再び静かに閉めた。
「風呂……でもないか」
浴室からも気配は感じられない。
「……留守?」
ぽそりと呟いても返事はない。
はぁと溜め息をついてテーブルに寄りかかる。
カサリ。
テーブルについた手に紙の感触。
そこにはたいそう個性的な、そして一文字一文字が大きく書かれた文字があった。
 

『カカシ先生!にんむおつかれさまってば!
今日のオレってばちょっとかえりがおそくなりそうです。
はらへっているならのこりもので悪いけどれいぞうこにはいってるの、あたためてくってください』
 

「平仮名ばっかりじゃないの」
ふふ、とカカシは笑う。
冷蔵庫を開けると鍋が入っていた。
その蓋を持ち上げてみれば中身は鍋いっぱいの。
「カレーか」
ふと炊飯器を見ると『炊飯スタートをおしてください』と書かれた紙が貼られている。
残り物だなんて。
だいたいナルトはカレーはフライパンで作る。それが鍋で用意されていて。ご飯も。
……いつでも食べられるように準備していて。
 

浴室を借りてシャワーで汚れを、それこそいろんな汚れを落とした後、食事の準備をする。
ふと視線をあげる。
金色の気配がどんどん近づいてくる。
笑みが浮かぶのを止めることが出来なくてその衝動のままドアを開けられる前にカカシは動いた。
「お帰り」
「……ただいま!先生もおかえりなさい!あと誕生日おめでとーございますってば!」
小さな白い箱を顔の位置まで掲げた彼女は満面の笑みだった。


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二人の食卓設定で先生誕生日お祝い文。

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